白い大型犬とセットで天然光の王をお持ち帰り~したいです
奇妙でおかしな変人ですが、宜しく
ちなみに好きなタイプは天然貧乳です(誰も聞いてねぇよ)
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うっかり日付を入れてしまって、今日中に上げなければならなくなりました
自分の首絞めてどーするよ…
設定は以前載せた通りです
ハロウィンSSその1の続きだと思ってくれて構いません
ではでは続きからドゾ!
ハロウィンSS 【2】 ~昶編~
それは天気の良いある昼下がりの出来事だった
長くて癖のある黒髪と印象的な紅い瞳をもつ王宮の主である彼の名は劉黒
体に巻いてある包帯は怪我をしている訳では無く、透明な体を見えるようにする為である
夜中、朝食分と一緒に作ってくれていたのだろう
洸が置手紙と共にテーブルに置いてくれた昼食を軽く済ませ窓の外に目線を送る
パートナーである洸は夜行性なので、まだこの時間は眠っている為に話相手も居なく暇を持て余し読書をしようと庭に出た
草の上を歩いていると、さわさわと心地良い風が吹いてくる
自らの長い髪を靡かせながら、お気に入りの場所へ向かうと、どうやら先客が居るらしく劉黒は首を傾げた
滅多に人の入る事のない王宮に自分達以外が居る事は珍しく、あったとしても迷い込んで来たパターンが多い
なるべく音を立てずに近づいてみると、其処に居たのは黒い猫だった
劉黒が近づいて来たにも関わらず、寝息を立てている
其処はちょうど大きな木の木陰になっていて、読書や昼寝をするには最適な場所だった
劉黒は小さく微笑むと、黒猫の隣に腰を下ろし読書を始めた
小一時間程経った頃だろうか、劉黒の隣に寝ていた黒猫がもそもそと小さく動いた
目を覚ましたのか、何度か瞬きをしている
その様子を暫く眺めていると、やがて眼が合った
劉黒と同じ黒い髪と紅い瞳を持つ猫
「…何?」
「え!いや、此処に客人とは珍しいと思ってな」
読んでいた本を閉じ、猫の方へ向き直る
「私は劉黒というのだが、名は?」
「昶」
昶と名乗る黒猫は上体を起こすと、大きく欠伸をした
「アンタの場所なのか?」
「あぁ、良い所だろう?読書をするには最適なんだ」
ニコニコ話をする劉黒に調子が狂わされている気がする昶
普段ならこんなに他人と会話などしないのにと思いつつ、劉黒の方へ耳を傾ける
「そうだ!昶、茶でも飲んで行かないか?
此処で会ったのも何かの縁だ、急ぎの用事が無いなら是非」
確かに急ぎの用事など無いが、他人に茶をどうだ?と勧められても、あまり乗り気はしない
しかし劉黒の申し出は何故だか嫌では無かった
渋々返事を返すと、劉黒は上機嫌で昶の手を掴み、王宮へ駆けていった
昶をソファーの前へ案内すると、手早く紅茶を用意し、カップに注ぐ
淹れたのはダージリンセカンドフラッシュ
もう少しすれば秋摘みのオータムナルの茶葉が手に入るのだが、収穫時期が11月1日~15日の為まだ出ていない
その為、夏摘みの茶葉をチョイスしてみた
ダージリンは紅茶の中でも香りの王様と呼ばれ親しまれている
劉黒もまた季節毎に3回旬があるダージリンは気に入っていた
それぞれ、同じ葉を使っているにも関わらず違う味わいが楽しめるからだ
淹れたての紅茶を昶の前に差し出し、自分の分をテーブルに乗せると
丁度向かい側に腰を下ろした
「砂糖は?」
「俺、甘いもん嫌いなんだ」
「…そうか甘いものは苦手なのか」
手に持っていたクッキーをそっと後ろの棚に置き、代わりに別の物を掴む
「どうした飲まないのか?冷めてしまうぞ」
「冷ましてんだ…猫舌なんだよ」
当然の返答が返ってきた
それもそうだ、淹れたての紅茶はほぼ熱湯に近い
90度以上もあるお茶を昶が直ぐに飲める筈も無かった
劉黒はそんな昶の前に、洸が作ってくれていたスコーンを差し出す
プレーンならばさして甘くは無いので昶でも食べられるだろうという配慮だった
「昶は何故この王宮に来たんだ?」
「ん~?何となく気が向いたからな」
「良ければ外の話を聞かせてくれないか?
私は王宮の管理者故、あまり外へは出られんのでな…」
「あぁ、別に構わないけど」
それから昶はぽつり、ぽつりと外で起きた事を劉黒に話して聞かせた
王宮の外に居た動物や植物、事件、興味を持った事など
劉黒は昶が話す一つ一つに深く頷いた
そんな事をしている間にすっかり日が暮れていた
ドアをノックされ初めてそんなに時間が経っていた事に気づく
部屋に入って来たのは洸だった
「劉黒、そろそろ夕飯にしようと思うんだけど…」
見慣れない客が居る事に洸は眉を寄せる
劉黒はそもそも客が来るとは言っていなかった
「誰?」
「あぁ、洸起きたのか!
彼は昶と言ってな、今日友達になったんだ」
楽しそうに紹介する劉黒
昶は今日初めて会ったにも関わらず友達呼ばわりされていて内心複雑だった
茶も飲み終わり、すっかり暗くなってしまった
長居をする気は無かったのだが、ついうっかり喋り過ぎた気がする
昶は椅子から立ち上がるとドアの方へ向かった
「もう帰るのか?」
「あぁ、思ったより長居し過ぎた」
洸は黙って道を開ける
「昶、また遊びに来てはくれないだろうか?」
昼間の話し相手が居るのと居ないのとでは大分違う
何より外の話を聞くのが楽しかった
昶は口数が多い方では無いし、表情もあまり変わる方では無いと思ったが
見た目程冷たくは無いらしく、根は優しい様だ
そう、話をしていて劉黒は感じた
「…ま、気が向いたらまた来てやっても良いけどな」
「そうか、待っているからな!」
昶の言葉に、ふっと笑みが零れる
黒い猫は振り向く事無く王宮を後にした
そして劉黒は気付いて居なかった
昶を見る洸の目が若干座っていた事に…
波乱の予感…?
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何とか間に合いましたよー!
一応前に書いた物の続編という形で理解して頂ければと思います
つかこれ、普通にハロウィンじゃなくても続編イケそうな気がするんですが…
現代パロよりこっちのが、個人的に描きやすいです
ハロウィン用に作った設定だった筈なんですがね
何より皆、人間じゃねーからな!(重要)
以前も書いている通り、人外が好きなんです。
にしても、完全に三角関係…
昶の話というよりは紅茶の話だった気がしなくも無い(汗)
拍手もポチポチありがとうございましたー!!